日本のニートの割合は多い？何人に一人？データの推移から現状を打破する方法を解説

ニート問題は、働く意欲のない若者という単純なイメージを超え、日本社会の問題や個人のキャリア形成の難しさなどさまざまな課題があります。

少子高齢化が進む日本では、若年層のニート化が増加し、社会全体に深刻な影響を与えていることも事実です。

この記事では、日本のニートの割合やニート状態になった理由・働けなくなった主な原因と背景について詳しく解説します。

また、ニートから抜け出すための具体的なステップも紹介しますので、今後の働き方を考える参考にしてください。

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日本のニートの割合は？データの推移

日本におけるニートの人数は減少傾向にありますが、年齢が高くなるほど増加していることが特徴です。ここでは、具体的なデータの推移についてみていきましょう。

ニートの人数は減少

総務省の若年労働力調査によると、若年無業者数は2023年時点で平均59万人、10年前と比較して約6万人が削減し、緩やかな減少傾向にあります。

ニートの人数が減少している背景には、少子化の影響で15～34歳の人口が減少していること、パート・アルバイトなどの非正規雇用が拡大していることなどが挙げられます。

また、自治体の職業訓練校や政府の職業支援の効果により、正社員として働ける人材が増加したことも背景にあるでしょう。

参考：若年労働力調査│総務省

20〜30代のニート率は増加

総人口に占める、15～34歳の若年層の無業者率は、2013年の2.2％から2023年には2.4％に上昇していますが、10年間で大きな差異はありません。

この背景には、労働市場の変化は大きくは進んでおらず、特に若い世代は非正規雇用や不安定な労働環境に頼らざるを得ない状況が続いています。

また、政府も対策をしていても効果は限定的で、ニートの人たちに十分届いていないのが現状です。

参考：労働力調査（基本集計）2023年（令和5年）平均結果の概要｜総務省統計

年齢が高くなるほど増加

35～44歳の無業者割合は2.5％と15歳～34歳の若年層を0.1%上回り、中高年の社会復帰困難性が問題になっています。

長期的にニートの状態が続くほど求職活動への心理的抵抗が強くなる上に、自身が保有するスキルに遅れが伴うことで就職の機会がさらに縮小します。

参考：労働力調査（基本集計）2023年（令和5年）平均結果の概要｜総務省統計

世界から見た日本のニートの割合

OECD諸国における日本のニート率は、世界的に見ても高い割合ではありません。なお、国ごとにニートの定義が異なるため、単純な比較は困難です。

日本では、特に若い男性の無業率が高く、これは「就職氷河期世代」の影響や教育・訓練の機会が限られていることが背景にあります。

日本社会では自己責任を強調する傾向が強く、公的支援が十分に届きにくい現状があります。さらに、ニートの中には高学歴者も多く、学歴と仕事のミスマッチも問題です。

また、OECDは日本に対して、不登校児への早期支援や地域での就労訓練の充実を提案していますが、非正規雇用が多い現状が根本的な課題となっています。

ニート状態になった理由・働けなくなった主な原因と背景

ニート状態になった理由や働けなくなった主な原因には、社会的な問題や家庭環境、個人的な問題があります。

ここでは、主に以下の原因・背景を挙げています。

一つずつ詳しくみていきましょう。

いじめ

学校や職場でのいじめ体験は、自尊心を損ない社会への関わりを拒むことにつながります。

特に、社会に出てからの集団適応の難しさから、二次的に不安障害やうつ症状を発症しやすく、働くことが難しくなるのです。

また、いじめ被害者が職場で対人関係を築く際に過去のトラウマが影響し、早期離職のリスクも高まります。

不登校

不登校の子どもが増加する中、学歴不足が就職機会の喪失につながる構造的問題が深刻化しています。

通信制高校卒業後も非正規労働に依存する問題があり、フリーターから抜け出せない若者が増えています。

背景には環境変化への適応不全や、対人関係不安の長期化が指摘されています。学歴不足と社会適応力の低下は、相乗的に作用している点も問題です。

安定した雇用への参入障壁が高まることで、若年層の社会参加がさらに困難になる悪循環が生まれています。

学業でのつまずき・中退

大学中退者が無業状態に陥りやすく、大学でのつまずきが精神的な負荷となり、就労の検討を減退させるケースも少なくありません。

学歴不足やスキル未熟さが就職活動のハードルを高め、安定した職に就く機会から遠ざかる悪循環が生まれています。

就職活動の失敗

新卒一括採用の仕組みのため、卒業後に就職活動をするチャンスが限られています。一度うまくいかないと、再挑戦ができず、応募をあきらめる若者も増えています。

特に、面接が苦手だったり、自分をうまくアピールできなかったりすることが原因です。自信喪失から就労競争が低下し、ニート状態が固定化する傾向があります。

さらに、企業の採用基準が画一的で、多様な個性や能力を評価しにくいことも問題です。

早期離職や失業

初めての職場がブラック企業だった場合、過重労働や疲労によって心身を消耗し、早期離職をするケースが後を絶ちません。

キャリア初期のメンタルヘルス支援が不足しているため、離職後の再就職活動では「職歴空白期間」がネックとなり、さらなる就職の難しさが問題になります。

離職者が再挑戦する際の職業訓練の機会も限定的で、非正規雇用の繰り返しから抜け出せない人も多くいるでしょう。

特に20代前半の離職経験は、その後のキャリア形成に大きな影響を与え、安定した職に就く機会を遠ざけています。

家庭環境

家庭環境や家庭内の問題が原因で、自分に自信がなくなり、働く意欲が低下することがあります。

特に、親の介護などの負担が多く、「ケアラーニート」と呼ばれる状態になる人も存在していることも社会問題です。

また、家庭内の人間関係の悪化が心の健康に影響し、社会から孤立する場合もあります。

病気や障がい（身体的・精神的）

身体的な不調、うつ病や適応障害などのメンタル不調を抱えている場合では、働けない状態が長期化しやすくなります。

傷病手当の申請方法が複雑で、必要な支援を受けられない人も多いことも問題です。そのため、周囲の理解が得られず、仕事を続けるのが難しい現状があります。

また、治療を続けながら働くためには、職場のサポートも必要です。しかし、社会的な支援が受けられずに、社会復帰のスピードが遅れてしまうことも問題になります。

コミュニケーションや対人関係への不安

発達障害や不安障害のある人は、必要な支援を受けられず、働くための訓練の機会を逃してしまう可能性があります。

その他にも、前職で人間関係のストレスを経験した人であれば、働くこと自体が怖くなってしまうでしょう。

また、コミュニケーションが苦手な人は、面接などで不利になることもあります。個人の特性に合わせた職場の配慮が求められていますが、難しいのが現状です。

ニートから抜け出すための具体的なステップ

ニートから抜け出すためには、現状を把握し、スキルアップや情報収集をおこなうことが大切です。

具体的なステップとしては、主に以下の5つがあります。

1つずつ詳しくみていきましょう。

現状把握と自己理解

ニート状態から脱却するには、まずは「自分に価値を感じる部分」を客観的に把握することが大事です。

自己分析として過去の経験やスキルを把握できると、「自分は社会で働くことができない」といった無意識の思い込みが解消され、新たな強みや適性を再発見できます。

特に、職歴の空白期間を「休息期間」ではなく「自己探索の時間」と捉え直すことで、自信を持って行動できる基盤が整うでしょう。

社会との接点を作る

地域のボランティアやオンライン読書会など、負担の少ない活動から始め、徐々に社会との接点を作るようにしましょう。

また、就労支援施設の見学や職業体験イベントに参加して、人との関わりを持つことで、対人関係やコミュニケーションにおける成功体験を積み重ねられるでしょう。

コミュニケーションが苦手な場合、チャットベースのアルバイト情報サイトから応募する方法もあります。

自分の状況に合わせて、徐々に幅を広げる動きをすることが必要です。

スキルアップと自信回復

就職に役立つ未経験者向け資格を取得し、就職の突破口とします。

職業訓練校では、プログラミングの基礎や建築CADなど実践スキルを身につけることが可能です。

また、オンライン講座でExcel関数やビジネスマナーを学び、求職時にアピールできるスキルを積み上げていきましょう。

このようにスキルアップのために学ぶことで、ニートから脱却する自信にもつながります。

相談できる場所を見つける

ハローワークのスタッフや就職の無料相談窓口では、職歴の空白期間やコミュニケーションの不安など、個別の事情に応じた現実的な就労計画を作成します。

特に自治体運営の「若者サポートステーション」では、カウンセリングと職業訓練を組み合わせた継続的な伴走支援が特徴で、面接練習やビジネスマナー習得まで段階的にサポートします。

ボランティア体験を通じた社会復帰のリハビリや、未経験者向け講座など、無理なく参加できるプログラムが受けられます。

複数の支援機関が連携し、生活基盤の安定から求職活動まで含めて支援体制が整っているため、積極的に利用してみましょう。

転職活動を始める

ニートの就職を得意とする転職エージェントを活用し、専門的な知識や就職情報を提供してもらいながら、転職活動を始めることがおすすめです。

最初は3ヶ月契約の短期社員から始め、実績を積んで完全登録を目指す現実的な戦略が有効です。

面接対策では、空白期間の説明などを事前にロールプレイし、自分の強みを言語化する練習をしましょう。例えば、「ニート期間中に独学で取得したITスキルや家族介護で養った責任感などを具体例で示し、マイナス要素をポジティブに転換することも大切です。

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ニートが就活を成功させるために

ニートが就活を成功させるためには、人手不足の業界や未経験でも雇用してもらえる求人を選ぶほか、就職支援を活用するなどの方法があります。ここでは、就活を成功させるコツについて詳しく解説します。

人手不足の業界を選ぶ

ニートが就活を成功させるには、求人数が多く、未経験者でも受け入れやすい業界を選択することが大切です。

介護・物流・飲食業界などは研修制度が充実しており、資格不要で即戦力を求めない求人が豊富にあります。

また、実務訓練プログラムが充実し、現場実習としてそのまま採用されるケースも多く見られます。

人材不足が深刻な業界ほど採用されやすく、職歴の空白期間よりも本人の意欲や熱意があると有利になる点が特徴です。

就労意欲や経験をアピールする

面接では、ニート期間中に得た気づきを具体的なエピソードを伝えることが大切です。

例えば、「家庭菜園で継続的に作物を育てた経験から忍耐力を学んだ」「独学でITスキルを習得し事務作業の効率化に応用できる」など、日常生活の活動を仕事に置き換えてアピールしましょう。

就職支援を活用する

自治体の若者サポートステーションやNPO法人の無料相談窓口では、キャリアコンサルタントが個別の事情に合わせた就労プランを作成します。

ハローワークと連携した職業訓練では、特に、面接ロールプレイや職場適応トレーニングなどが受けられ、社会復帰の心理的スピードを段階的に下げる支援が特徴です。

さらに転職エージェントを活用すれば、ニートでも採用できる求人を優先的に紹介してもらえます。

ニートの就職におすすめの転職エージェント3選

ニートの就職におすすめの転職エージェントは、次の3つです。

それぞれのサービスの特徴について詳しく解説します。

えーかおキャリア

えーかおキャリアは、20代のフリーター・第二新卒に特化した転職エージェントです。年間6,000人以上を支援していること、大手の内定獲得率4倍で、未経験者向け求人やOJT資格を活用したサポートが特徴です。

Google口コミでは星4.7の高評価を維持し、担当者の親身な対応やミスマッチ防止の徹底したヒアリングがサポートされています。

入社後も継続的なフォローアップを実施し、1年後の確保率91.4％を達成しています。社会人経験の浅い方や未経験職種にチャレンジしたい方に対し、希望条件に沿った求人を提供してくれることが強みです。

キャリアスタート

キャリアスタートは、20代のフリーター・第二新卒・新卒に特化した転職エージェントで、内定率90％超・定着率92％という業界トップクラスの実績を誇ります。

未経験者歓迎の求人を豊富に取り扱い、個別相談では希望条件や適性に沿った求人を厳選し、マンツーマン面談・履歴書添削・面接を通じ、選考を突破する力を身につけられることが強みです。

また、企業リサーチの徹底性で、福利厚生や職場環境を事前に精査し、ミスマッチを防ぎます。 初めての就職や転職でも、キャリアアドバイザーが内定が決まるまで継続的に伴走する体制が整っています。

アメキャリ

アメキャリは、20代の未経験者やフリーター、第二新卒に特化した転職エージェントで、3万社以上の公開非求人を確保しています。

未経験歓迎の求人が全体の6割以上を確保し、入社後3ヶ月の定着率は97％と非常に高い実績を誇っていることが特徴です。

最短2週間で内定を獲得できるスピーディな対応が可能で、スマホを使った面談や土日にも対応するマンツーマンサポートが受けられます。仕事を続けながらの転職活動や初めての転職でも安心して利用できます。

まとめ

世界的に見て、若者の5人に1人がニート状態という調査結果もありますが、病気ややむを得ない事情がない場合、就職活動時に厳しい評価を受ける可能性が指摘されています。

特に職歴の空白期間が否定的に捉えられ、採用の壁となるケースも少なくありません。

しかし、就職活動において不利に働くイメージはあるものの、実際にはニート状態から企業で活躍する人々は多くいます。重要なのは、早めの行動と適切な支援の活用です。

ニートの就職に精通したエージェントを活用し、プロのアドバイザーから手厚い支援を受けることをおすすめします。ニートから脱却し、自分に合った働き方を実現させましょう。

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