
「大学を中退したら、もう人生終わり?」
「大学中退は人生終了」
そのような言葉に、強い不安を感じていませんか?たしかに、最終学歴が高卒になることへの心配や就職で不利になりやすい点を考えて悲観してしまうかもしれません。
社会の一般的なレールから外れたようで、焦りや孤独を感じる人もいるでしょう。
しかし、大学中退が人生のすべてを決めるわけではありません。結論として、中退後の進路や正しい行動の仕方を知れば、不安を乗り越えられます。自分に合った道を見つけるのは十分に可能です。
この記事では、「大学中退=人生終了」と言われる理由から解説します。さらに、具体的な7つの進路や就活成功の方法、経験者の声を紹介します。
この記事を読み、前向きな一歩を踏み出すヒントを見つけてください。
目次
なぜ「大学中退=人生終了」と言われてしまうのか?
「大学中退は人生終了」の言葉に、強い不安を感じる人もいるかもしれません。この章では、以下の4点を掘り下げます。
- 最終学歴が「高卒」になることへの不安があるから
- 社会のレールから外れた焦りで周囲の目が気になるから
- 就職や収入面での不利なイメージがあるから
- 中退は「逃げ」や「失敗」と思っているから
不安の根源を知るのが、「大学中退は人生の終了」の考えを乗り越える第一歩です。
最終学歴が「高卒」になることへの不安があるから
大学中退で最終学歴が「高卒」となることに、将来への不安を感じる人は少なくないでしょう。大学等への進学率が令和5年度で約57.7%と高い現代では、大卒がキャリアの一つの基準と見なされることが多いです。
そのため、高卒の学歴は就職活動で不利になるかもしれません。
実際に求人には「大卒以上」を条件とするものもあります。企業が採用の初期段階で学歴を基準に候補者を絞り込む「学歴フィルター」を意識する場面もあるでしょう。
また、収入面での差も不安要素になるでしょう。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2022」を参照すると、大卒者と高卒者とでは以下の年収差があることがわかります。
学歴 | 男性の生涯賃金 | 女性の生涯賃金 |
---|---|---|
中学卒 | 1億9千万円 | 1億5千万円 |
高校卒 | 2億1千万円 | 1億5千万円 |
高専・短大卒 | 2億1千万円 | 1億7千万円 |
大学・大学院卒 | 2億6千万円 | 2億1千万円 |
【数値引用】「ユースフル労働統計2022」独立行政法人労働政策研究・研修機構
こうした具体的な差が経済的な安定がないことへの不安につながります。
社会のレールから外れた焦りで周囲の目が気になるから
大学中退を選ぶと、「高校卒業→大学進学→就職」という一般的なレールから外れた感覚に陥り、焦りを感じる場合があります。
友人たちが大学生活を送り、就職していく姿を見ると、「自分だけ取り残されている」と感じてしまうかもしれません。SNSなどで他人の充実ぶりを目にする機会が多い現代では、なおさら他人と比較してしまうこともあるでしょう。
また家族や親戚、地域社会など、周囲からの視線もプレッシャーとなる恐れがあります。「なぜ大学を辞めたのか」「これからどうするのか」などの心配や問いかけが負担に感じることもあるでしょう。
「大学中退は人生終了」の言葉は、こうした焦燥感や世間体を気にする心理が背景にあると考えられます。
就職や収入面での不利なイメージがあるから
大学中退が就職や収入面で不利になるイメージは根強く存在します。一部企業では新卒採用の応募資格を「大卒以上」としており、応募機会が制限されるのは事実です。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、新規学卒者の初任給は大学卒が約22万9千円に対し、高校卒は約18万1千円と差があります。
社会人になった後の昇給や昇格が学歴のみに依存するわけではありませんが、生涯賃金にも影響が出るおそれは否定できません。
また就職活動の面接では、中退した理由の説明が求められます。
伝え方によっては、計画性や仕事を最後までやり遂げる力を疑われ、企業側が懸念を抱くおそれもあるでしょう。
このように、収入や選考時の不利な影響によって、大学中退は「人生終了」と悲観的にとらえられてしまいます。
中退は「逃げ」や「失敗」だと思っているから
大学中退の決断を、「逃げ」や「失敗」とネガティブにとらえてしまう方がいます。あるいは周囲からそう見られていると感じる人も少なくありません。
大学入学時に描いた目標や計画を途中で断念した経験は、自己評価を下げやすく、「困難から逃げた」と感じてしまう場合があります。
また、日本社会では物事を最後までやり遂げることを美徳とする風潮が強いです。そのため、周囲から「根性がない」などと判断されるのではとの不安も生じます。
こうした感情や評価への恐れが積み重なると「自分はもうダメだ」と考え、「大学中退=人生終了」の思考に陥りやすくなります。
大学中退は人生終了ではない!今後の7つの進路
「大学中退=人生終了」と感じる必要はありません。大学を中退しても、人生の可能性が閉ざされるわけではないからです。
むしろ、早い段階で自分に合わない道から方向転換できるとポジティブに捉えましょう。ここでは、大学中退後の具体的な進路を7つ紹介します。
- 正社員就職
- 契約社員・派遣社員
- アルバイト(フリーター)
- 専門学校や別の大学に進学
- 資格取得
- 公務員試験を受験
- 起業またはフリーランス
選択肢を知り、自分に合った道を探すことが大切です。
1. 正社員就職
大学中退後の進路で、多くの人が考えるのは正社員就職です。正社員とは、一般的に雇用期間の定めがなく、フルタイムで働く雇用形態です。
学歴不問や高卒以上対象の求人は多数あり、人手不足の業界や若さ・意欲を重視する企業もあります。
こうした企業は新卒や第二新卒、20代前半などの若年層の採用において、経験やスキルよりも将来性を期待して採用する「ポテンシャル採用」を実施しています。中退経歴に関わらず、将来的な成長を期待して積極的に採用してくれる企業もあります。
正社員のメリットは、以下の3つです。
- 安定した収入
- 社会的な信用
- 充実した福利厚生
就職活動では中退理由を前向きに伝え、仕事への意欲を示すことが重要です。まずは、就活エージェントのキャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。
2. 契約社員・派遣社員
正社員以外の働き方では、契約社員や派遣社員があります。契約社員は、企業と直接、雇用期間を定めて契約します。派遣社員は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の企業で働きます。
どちらも働く期間が決まっている場合が多いです。雇用期間が限定される不安定さはありますが、以下のようなメリットも存在します。
- 未経験から挑戦しやすい仕事が見つかる可能性がある
- さまざまな職場で経験を積み適性を見極める機会になる
- 「正社員登用制度」(契約社員などから正社員になれる制度)を通じて正社員を目指せる場合がある
すぐ正社員になるのに不安がある場合や、まず実務経験を積みたい場合に有効なステップです。「大学中退人生終了」と悲観せず、柔軟な働き方も検討してみてください。
3. アルバイト(フリーター)
大学中退後、すぐに就職活動を始めるのではなく、アルバイト(フリーター)で働く選択肢もあります。フリーターは、正社員以外の雇用形態で生計を立てる人を指すことが多いです。
アルバイトは勤務時間の自由度が高く、自分のペースで働きやすいのが特徴です。まずは、アルバイトで生活費を稼ぎながら、今後の方向性をじっくり考えられます。
さまざまな職種を体験し社会経験を積む中で、自分の興味や得意なことを見つけるきっかけにもなります。
ただし、以下のような注意点もあります。
- 収入が不安定になりやすい
- 昇給や福利厚生面で正社員と差が出やすい
- 長期化すると正社員就職が難しくなる傾向がある
アルバイトをする場合、明確な目的意識を持ち、計画的な仕事探しが重要です。
4. 専門学校や別の大学に進学
中退理由が学びたい分野が変わったり、興味を失ったりした場合は、専門学校や別の大学への再進学・編入も有力な選択肢です。
専門学校では、特定の職業に直結する実践的なスキルを短期間で集中的に学べます。就職サポートが充実している学校も多いです。
別の大学へは、「再入学」や途中年次から入学する「編入学」により、以前とは異なる学部で新たな学問を探求できます。
再進学には、明確な目的意識と経済的計画が必要です。特に私立大学は学費が高額な傾向にあるので、前もって資金を準備しましょう。
まずは興味のある学校の資料請求や、オープンキャンパスに参加して、具体的な情報を集めてみましょう。
5. 資格取得
大学中退後のキャリアを有利にするために、資格取得を目指すのも有効な手段です。資格は特定の知識やスキルを持つ客観的な証明となり、就職活動でアピール材料になります。
実務直結の専門資格や需要の高い資格は、学歴の不利をカバーする武器となりえます。
例えば、以下のような資格です。
- 語学力関連(TOEIC®など)
- 事務職関連(日商簿記検定など)
- IT業界関連(基本情報技術者試験など)
- 不動産業界関連(宅地建物取引士など)
資格取得は、目標が明確で学習に取り組みやすく、合格すれば自信にもつながります。戦略的な取り組みが、効果的なキャリアアップにつながるでしょう。
6. 公務員試験を受験
安定した職業や社会貢献に関心があるなら、公務員になる選択肢もあります。公務員試験は学歴より個人の能力や適性を重視する傾向があります。
多くの場合、年齢要件などを満たせば学歴に関わらず受験可能です。大学中退者でも受験可能な区分には、以下のようなものがあります。
- 地方公務員初級(高卒程度)
- 国家公務員一般職(高卒者試験)
- 一部の専門職(警察官、消防官など)
公務員の魅力は雇用の安定性、充実した福利厚生、社会的な信用の高さです。ただし、競争率は高く、筆記試験や面接に向けた十分な準備と計画的な学習が不可欠です。
まずは、自分が受験できる試験の種類や日程、内容を確認しましょう。各自治体や人事院のWebサイトで確認できます。予備校の説明会に参加してみるのもよいでしょう。
7. 起業またはフリーランス
組織に属さず自分の力で進路を切り開きたいなら、起業やフリーランスの選択肢もあります。
大学中退経験は、既存の枠にとらわれない発想や、挑戦する行動力につながる可能性も秘めています。
具体的な職種には、コンサルタントやプログラマーなどがあります。会社員とは違う働き方や収入を得られる可能性があります。
起業やフリーランスになることには、以下のような魅力があります。
- 働く時間や場所、内容を自分で決められる
- 興味や得意なことを追求し、それが収入につながる
ただし、収入が不安定になりやすく、相応の覚悟と準備が必要です。
しかし、中退経験で培った反骨精神などを活かせれば、成功のチャンスもあります。まずは、副業で始められるサービスを探してみましょう。
クラウドソーシングサイトに登録するのがおすすめです。ネット上で仕事の受発注ができ、小さな案件から気軽に実績を積めます。
大学中退者が就活を成功させる方法
「大学中退だから無理だ」と諦める前に、成功のための具体的な方法を知り実践するのが重要です。ここでは、就活成功のための4つの方法を解説します。
- 応募できる求人をよく調べる
- 資格を取得してスキルを身につける
- 中退理由を前向きに答えられるようにする
- 就活エージェントを活用する
上記のポイントをおさえ、自信を持って就職活動に臨むことが大切です。
1. 応募できる求人をよく調べる
大学中退者が就活を成功させる第一歩は、応募できる求人を効果的に見つけることです。「大卒以上」の求人もありますが、「学歴不問」「高卒以上」を歓迎する求人も多数存在します。
情報収集の方法では、就活サイトや就活エージェントを利用するのがおすすめです。
企業で長く働き続けることを目指している人は、自分の興味や経験が活かせる分野を中心に調べましょう。企業が求める人材像の把握が、ミスマッチを防ぎ内定および職場への定着を実現する方法です。
まずは求人サイトに登録し、どのような求人があるか見てみましょう。
2. 資格を取得してスキルを身につける
大学中退のハンディキャップをカバーする有効な手段が資格取得やスキル習得です。具体的なスキルをアピールできることで、自分自身の労働市場における評価である「市場価値」を高められます。
どのような資格やスキルが役立つかは、目指す職種や業界によりますが、実務直結の専門資格は評価されやすいです。
計画的に学習を進めれば、着実にスキルアップが図れます。学習の過程で得られる知識や達成感は自信にもつながります。
面接で中退後、目標を持って資格取得に励んだ経験を話しましょう。これは、向上心や計画性を示すエピソードにもなります。
3. 中退理由を前向きに答えられるようにする
就職活動の面接で「なぜ中退したのか?」という質問は必ずといっていいほど訊かれるでしょう。この回答が採用担当者の印象を大きく左右します。
見栄を張ったり誇張して話したりするのは避けるべきですが、ネガティブに話すのではなく、中退経験から何を学び反省したかをしっかり伝えましょう。そして、今後この経験をどう活かしたいかを前向きな言葉で伝えましょう。
具体的には、中退に至った経緯を客観的に説明し、経験から得た学びや反省点を述べましょう。
それを今後の仕事や目標にどう結びつけるかを示すのが大切です。
就活エージェントでは模擬面接をおこなってもらえます。本番前に何度か利用して、客観的なアドバイスをもらいましょう。
4. 就活エージェントを活用する
大学中退者の就職活動を心強くサポートするのが就活エージェントです。就活エージェントは、求職と求人の間に入り、就職を支援するサービスです。
企業側が採用成功時に費用を支払うため、多くの場合無料で利用できます。既卒・フリーターなど、若年層支援に特化した就活エージェントもあります。
エージェント活用のメリットは、キャリア相談や自己分析のサポートをしてくれる点です。一般には公開されない非公開求人の紹介や応募書類添削、面接対策も受けられます。企業との連絡や条件交渉代行を依頼できる場合もあります。
一人で就活を進めるのが不安な方や効率的に内定を獲得したいしたい方は、まずは就活エージェントの無料相談に申し込みましょう。
大学中退者におすすめの就活エージェント
大学中退者が就職活動を進める上で、就活エージェントの活用は有効な手段です。ここでは、大学中退者におすすめの就活エージェントを3つ紹介します。
- えーかおキャリア
- キャリアスタート
- アメキャリ
それぞれの特徴を理解し、自分に合ったエージェントを見つける参考になるはずです。
えーかおキャリア

- 20代若年層(既卒・フリーター・中退者など)に特化
- マンツーマン丁寧な個別カウンセリング
- 入社後定着率は91.4%
えーかおキャリアは、18〜29歳までの既卒、フリーター、大学中退者などの就職・転職支援に特化したサービスです。求職者一人ひとりに時間をかけ、カウンセリングをおこなってくれるのが特徴です。
経歴や希望を深くヒアリングします。「キャリアアドバイザー」と呼ばれる担当者が最適な求人を提案してくれます。
「大学中退人生終了」と感じている方でも安心して相談可能です。学歴不問や未経験歓迎の求人も多く、ポテンシャル重視の企業を紹介してもらえます。
キャリアスタート

- 20代に特化した68,165名の豊富な登録者数を誇るサービス
- 業界トップクラスの内定獲得率86%
- 入社後の定着率92%という驚異的な高水準
- 一人ひとりに合わせた徹底的な面接トレーニングで強みを最大化
「キャリアスタート」は、20代を中心とした若年層に特化した就職・転職支援サービスです。他社にはない68,165名もの豊富な登録者数を持ち、新卒から既卒、フリーターまであらゆる若年層の就職をサポートしています。
当サービス最大の特徴は、徹底したマッチング分析による92%という業界トップクラスの定着率です。単なる希望だけでなく、応募者の性格・スキル・特性と企業文化の相性を科学的に分析することで、入社後のギャップを最小限に抑えています。
また、求職者一人ひとりに合わせた面接トレーニングにより86%の驚異的な内定率を実現しており、平均1ヶ月という短期間での内定獲得を可能にしています。
さらに、前職年収300万円以下の方の83%が年収アップに成功している※のも、当社独自の高待遇求人ネットワークと4,000名以上の就職支援から得たノウハウがあるからこそといえるでしょう。キャリアスタートだけの強みを活かし、あなたの理想の就職・転職を実現します。
※2020年4月1日~2022年3月31日までの期間で、前職年収300万円以下の方を対象に、理論年収300万円以上の転職を実現した方の割合
こんな方におすすめ
- 「学歴や経験に自信がない」と思いながらも本当は可能性を信じたい方
- 「自分は何がしたいのか」を言語化できずにモヤモヤしている20代の方
- 年収アップと長期的なキャリア形成を同時に実現したい方
アメキャリ

- 最短2週間で内定を獲得できる
- 89%以上の利用者が給料アップに成功している
- 未経験歓迎の求人が60%以上
アメキャリは20代や未経験者の転職を丁寧にサポートしてくれる転職サイトです。
利用者の内定獲得までの期間は平均で約1か月で、最短2週間で内定を獲得できる可能性もあります。
保有求人の60%以上が未経験歓迎の求人である一方で、利用者の89%以上が年収アップに成功している実績があります。
未経験転職でも年収アップを目指したい人や、優良求人に多く出会いたい人におすすめです。
大学中退者が正社員になるための5ステップ
「大学中退人生終了」の考えにとらわれず、前向きに行動を起こすのが大切です。ここでは、大学中退者が正社員として就職するための具体的な5つの手順を解説します。
- 自己分析する
- 求人を探す
- 応募書類を作成する
- 面接対策する
- 企業を選ぶ
手順に沿って着実に準備を進めることで、自信を持って就職活動に臨み、希望するキャリアへの第一歩を踏み出すことが可能です。
1. 自己分析する
正社員就職を目指す上で、もっとも重要なステップが「自己分析」です。自分自身のことを深く理解するプロセスであり、以下の点を明確にしましょう。
- 自分の強み・弱み
- 興味・関心、価値観
- 将来どのような働き方をしたいか
大学中退の体験を振り返りましょう。なぜ中退したのか根本的な原因まで掘り下げて考えます。自己分析で中退の経緯、学び、反省点を整理します。これにより説得力のある自己PRが可能です。
また、自分がどのような仕事や働き方を望むのかを、以下のようにリストアップします。
- 安定志向
- 人と関わる
- 黙々と作業する
- 成長志向 など
自己分析により、自分に合った業界や職種、会社を見つける軸ができ、仕事探しの方向性が定まるでしょう。
2. 求人を探す
自己分析で方向性が定まったら、次は具体的な求人を探します。やみくもに探すのではなく、自己分析の結果に基づき、自分に合った求人を効率的に見つけるのが重要です。
求人サイトや就活エージェントなどを活用するのがおすすめです。
求人を探す際は、以下の点に注目します。
- 応募条件:学歴不問、未経験歓迎など
- 企業情報:事業内容、理念など
- 待遇面以外:仕事内容、研修、雰囲気など
会社のWebサイトも確認しましょう。そして、複数の情報源から比較検討するのが大切です。自分が本当に「ここで働きたい」と思える求人を見つけ出しましょう。
まずは、求人サイトやエージェントに登録して情報収集することをおすすめします。
3. 応募書類を作成する
応募したい会社が見つかったら、履歴書と職務経歴書を作成します。履歴書は学歴や職歴などの基本情報、職務経歴書はこれまでの仕事内容や実績をまとめた書類です。
履歴書の学歴欄には「〇〇大学 △△学部 中途退学」と正直に記載しましょう。隠蔽は「経歴詐称」にあたります。
職務経歴書は、アルバイト経験などがあれば作成し、なければ自己PR書として強みや意欲をアピールします。
もっとも重要なのは「自己PR」と「志望動機」です。自己PRでは強みやスキル、意欲を具体的に記述します。中退体験からの学びをどう活かせるか盛り込みましょう。
志望動機では、なぜその会社で働きたいかを明確に伝えます。誤字脱字がないか確認し、熱意が伝わる書類を目指します。
4. 面接対策する
書類選考を通過したら、次は面接です。会社が応募者の人柄や能力、意欲を直接確認する重要な場です。
大学中退者の場合、面接官は中退理由や学びに関して質問することが多いです。そのため、事前の対策として以下の準備を進めましょう。
- 想定質問への回答準備
- 面接マナーの確認(身だしなみ、挨拶、言葉遣い、姿勢など)
- 模擬面接の実施とフィードバック(就活エージェントのキャリアアドバイザーに依頼するのがおすすめ)
- 逆質問の準備(入社意欲を示すため、企業サイト等で分からない点を質問)
中退理由は、前向きな視点で語るのがポイントです。転職エージェントなどを利用して模擬面接を依頼するなど、実践的な練習を重ねましょう。
5. 企業を選ぶ
複数の会社から内定を得た場合、最後のステップは入社する会社選びです。今後のキャリアを左右する重要な決断であり、焦らず慎重な比較検討が必要です。
会社を選ぶ際の主な判断基準は、以下のようなものが挙げられます。
- 労働条件(給与、休日、福利厚生など)
- 仕事内容(やりがい、興味、スキル活用)
- キャリアパスや研修制度
- 社風・職場の雰囲気 など
提示された条件が、説明通りかどうかも確認が必要です。最終的には、自己分析で明確にした自分の価値観やキャリアプランと照らし合わせて選びましょう。
「ここで働きたい」と、もっとも強く思える会社を選ぶことが後悔のない選択につながります。もし迷う場合は、キャリアアドバイザーや家族、友人などに相談してみましょう。
大学中退者の就活にプロの支援が必要な3つの理由
大学中退者が一人で就職活動を進めるのも可能ですが、悩みや不安を抱えやすいのも事実です。そのような時、就活エージェントなどのプロの支援を活用することは、就職活動を成功させる上で大きな助けとなる可能性があります。
「大学中退人生終了」の思い込みから抜け出し、自信を持って次のステップに進むためにも、専門家のサポートを検討する価値は十分にあります。主な理由は以下の3つです。
- 中退者特有の悩みや選考対策を熟知している
- 自分では見つけられない優良企業の非公開求人に出会える
- 客観的な自己分析と効果的なアピール方法がわかる
メリットを理解し、エージェント活用を検討してみてください。
1. 中退者特有の悩みや選考対策を熟知している
大学中退者は就職活動で特有の悩みに直面します。例えば、以下のような内容です。
- 「学歴フィルター」で不採用になってしまう可能性が高いか
- 中退理由をどう説明すればよいか など
これらは、一般的な新卒や転職者とは異なる対策が必要です。キャリアアドバイザーは、多くの中退者支援の経験から、効果的な解決策を提案してくれます。
企業側の懸念や評価ポイントも把握しているため、書類添削や面接対策でも的確なアドバイスをもらえるでしょう。
2. 自分では見つけられない優良企業の非公開求人に出会える
就職活動では、いかに自分に合った求人を見つけるかが成功の秘訣です。しかし、公開されている求人情報がすべてとは限りません。多くの就活エージェントは、一般には公開されない「非公開求人」を多数保有しています。
非公開求人には待遇が良い、特別な業務を任されて働きがいがあるなどの可能性があります。
エージェントから非公開求人を紹介してもらうことで、進路の可能性が広がります。思わぬ好条件や適性に合う会社に出会えるでしょう。自分一人ではアクセスできなかった選択肢に触れられるのは、プロの支援を受けるメリットです。
3. 客観的な自己分析と効果的なアピール方法がわかる
就職活動を成功させるには、自己分析が必要です。そして、それを企業に合わせて効果的に伝えるアピールすることが求められます。しかし、自力で自己分析をすると主観が入りやすく、強みを過小評価したり弱みに気づかなかったりする可能性があります。
また、自分のアピールが採用担当者にどう受け取られるか、客観的に判断することは難しいでしょう。そのような時、就活エージェントのキャリアアドバイザーが役立ちます。
対話を通じて潜在的な強みや適性を見出し、弱みもポジティブな視点でとらえ直してくれます。応募企業の特性を考慮しながら、もっとも効果的なアピール方法を模索してくれるので、自信をもって面接に臨めるでしょう。
「大学中退は人生終了?」経験者のリアルな声
「大学中退=人生終了」の言葉に不安を感じている方は、実際に同じ経験をした人がその後どうなったのかを知ると、励みになるかもしれません。ここでは、大学を中退した経験を持つ方々のリアルな声を紹介します。
本当にやりたいことに早期に集中できた

大学を中退したことで、自分が本当にやりたいことに早期に集中でき、時間とエネルギーを効率的に投資できるようになった点は良かった。学費や生活費の負担が減り、経済的な自由度が高まったことで、起業や独学でのスキル習得など、実践的な道に早くから挑戦できた。

やりたい仕事が明確になっていたので、大学を中退した事で直ぐにその仕事をする事ができ、時間を短縮出来たのは良かったと思っています。
大学中退の良い点として、自分の目標や興味関心に早くから集中できたという声が多く聞かれました。
興味のない授業に時間を費やす必要がなくなり、本当にやりたい仕事や学びに向けて効率的に時間を使えるようになったと感じているようです。
また、学費の負担がなくなることで経済的な余裕が生まれ、自己投資や起業資金などに充てることができたという意見もありました。
早い段階で社会経験を積める点も、将来的なメリットと感じている方がいます。
視野が広がり自己成長につながった

大学中退によって、既存のレールから外れることで逆に視野が広がり、社会の多様な価値観や機会に気づけたことが最大のメリットだった。

世間からどう思われるかを気にすることがなくなった。自分の心に向き合って、本当に自分がしたいことに挑戦する勇気を持てるようになった。
「大学」という画一的な環境から離れることで視野が広がり、多様な価値観に触れられたという声もありました。
既存のルートにとらわれず、自分でキャリアを設計していく中で、柔軟な思考力や主体性、逆境に対処する力が身についたと感じている人もいます。
周囲との比較やプレッシャーから解放され、自分のペースで成長できたことが精神的な余裕につながったという意見も見られました。
中退という決断が、自己理解を深め、本当にやりたいことを見つけるきっかけになったようです。
就職活動での不利や収入面の格差

就職は大変でした。高卒ですぐ就職していればまだ良かったんですが、中退だと中退の理由を聞かれ、忍耐力がないなどといった目で見られることがありました。また、高卒になるので就職の幅は狭く、何年も働いて、初めて大卒の初任給と同じお給料をもらっていると知った時はショックでした。

学歴を求める企業や職種への応募が制限され、就職活動で不利になる場面が多かったのが悪かった点だ。特に大企業や公的機関では学歴フィルターが存在し、書類選考で落とされるケースが増え、選択肢が狭まることを実感した。
大学中退のデメリットとして、就職活動での不利や収入面の格差を挙げる声は非常に多いです。
応募できる求人が限られたり、面接で中退理由をネガティブに捉えられたりする経験をした人がいます。特に大企業などでは「学歴フィルター」を感じる場面もあるようです。
また、高卒扱いとなるため、大卒と比較して初任給や昇給のスピードで差を感じ、ショックを受けたという意見も見られました。
就職活動において選択肢が狭まる点は、大学を中退するにあたって覚悟しておくべきデメリットといえるでしょう。
大学を中退した経験を活かす方法
大学中退は、ネガティブな側面ばかりではありません。とらえ方次第で、その体験を自分自身の強みに変換し、就職活動やその後のキャリアに活かすことも可能です。
ここでは、中退経験を活かす3つの方法を紹介します。
- 面接で決断力や行動力をアピールする
- 挫折体験から得た学びや反省を説明する
- 中退理由と志望動機に一貫性を持たせる
これから紹介する方法を意識すれば、面接などで自信を持って自己アピールできるようになります。
面接で決断力や行動力をアピールする
大学中退は簡単な決断ではないです。この体験は、以下の力の表れと捉えることができます。
- 困難な状況でも、目標のために行動を起こす力
- 現状に甘んじず、自らの意思で将来の方向性を変える決断力
面接で中退理由を説明する際、この決断力や行動力を意識的にアピールするのが有効です。
例えば、以下のように伝えられます。

大学での学びが目指す方向と異なると気づきました。早期に軌道修正し新たな目標へ努力する方が有益だと判断しました。中退には勇気が必要でした。しかし、自分の将来に責任を持ち主体的に行動する重要性を学びました。
重要なのは「辞めた事実」に加え、決断プロセスやその意味を具体的に語る点です。そしてその決断力を仕事でどう活かすかを示す点も大切です。
挫折体験から得た学びや反省を説明する
大学中退は「挫折体験」とも、とらえられます。しかし、人は挫折から多くを学び成長します。面接で中退体験を語る際、具体的な学びや反省点を明確に伝えましょう。
まずは「うまくいかなかった理由」を自己分析します。そして、反省点を具体的に説明することが大切です。その反省を踏まえ、現在どう考え行動しているか示しましょう。
例えば、以下のように説明できます。

学業意欲を維持できませんでした。目標設定が曖昧で計画性が不足していたためと反省しています。この経験から目標達成には具体的計画と日々の努力が不可欠だと痛感しました。現在は〇〇の目標を設定し計画的に学習しています。
挫折を乗り越え、教訓を今後の仕事に活かす姿勢を示すのが大切です。
中退理由と志望動機に一貫性を持たせる
大学中退理由と応募企業への志望動機に、一貫性を持たせることは重要です。説得力ある自己アピールにつながります。
採用担当者は応募者が過去の体験を踏まえているかを面接で聞き出し、明確な目的意識を持って自社を志望しているかどうかも見ています。
中退理由と志望動機がバラバラだと取ってつけたような志望動機だと懸念されかねないです。「場当たり的ではないか」「またすぐ辞めるのでは」とマイナスに判断される恐れもあります。
以下のような例文が参考になるでしょう。

大学での学びを通し、〇〇分野に情熱を注げると確信しました。中退を経て〇〇スキルを独学しました。一日も早く実務経験を積みたいです。そのため、先進的な貴社を志望しました。
経験から得た価値観と、企業の魅力を結びつけるのも可能です。中退体験が応募企業で働きたい動機にどうつながるか、論理的で説得力のあるストーリー構築が重要です。
大学中退に関するQ&A
大学中退に関して、多くの方が抱える疑問や不安への回答をまとめました。
- 大学中退者の割合や多い学年は?
- 就職活動はいつ始めるべき?
- 大学中退は就職に不利?出世は難しい?
- 親に中退を納得してもらう方法は?
- 履歴書に中退の事実は書くべき?
- 女性の場合結婚やキャリアへの影響は?
「大学中退人生終了」の漠然とした不安を解消しましょう。
大学中退者の割合や多い学年は?
文部科学省の調査によると、令和5年度学生の中途退学者・休学者数は2.17%です。
【引用】文部科学省「令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」
これは、毎年数万人の学生が大学を去っていることを示し、少ない数ではありません。中退が多い学年は、一般的に1年生や2年生の前期と言われます。理由は、入学前のイメージとギャップがあったことです。
学業への不適応や新しい環境での人間関係の悩みなども挙げられます。専門課程が始まる時期などに決断するケースが多いようです。もちろん3、4年生での中退もあり、理由はさまざまです。
就職活動はいつ始めるべき?
大学中退後の就職活動を始めるべき時期に決まりはありません。中退直後は、精神的に落ち込んでいる場合もあるでしょう。その場合は焦らず、まずは心身を休ませることに注力しましょう。
自己分析や情報収集に時間をかけるのがおすすめです。アルバイトで生活を整え、社会経験を積むのも有効です。早く正社員になりたい場合は、中退後すぐに活動を始めることも可能です。
しかし、重要なのは自分自身の準備が整ったタイミングで就職活動に全力に取り組むことです。働く意欲が明確になればいつでもスタートできます。
大学中退は就職に不利?出世は難しい?
就職が不利になるおそれはありますが、それがすべてではないです。たしかに一部企業では応募資格が「大卒以上」で就職先の選択肢が狭まることはあります。
面接で中退理由を問われ、マイナス評価となるおそれや、初任給や生涯賃金も統計上は大卒者との差が見られます。
しかし、近年は学歴より個人の能力やスキル、意欲を重視する会社が増加傾向にあります。人手不足業界や実力主義企業では、中退経歴に関わらず活躍のチャンスは十分あります。
最終的には本人の努力や実績などが評価される場合がほとんどです。コミュニケーション能力なども見られます。「中退だから」と卑屈にならず、強みを磨き成果を出すことが重要です。
親に中退を納得してもらう方法は?
大学中退を決意した際、親の理解を得ることは大きなハードルです。学費を出してもらっていたり、期待されていたりする場合もあるでしょう。両親に納得してもらうためには、以下の点を心がけるのが大切です。
- 自分の考えを正直かつ冷静に伝える。
- なぜ中退したいのか理由を具体的に説明する。
- 中退後の具体的な計画(就職活動、資格取得、再進学など)を示す。
- 計画の実現可能性を示す根拠(求人情報など)も用意する。
- 親の意見や心配にも耳を傾け、一方的な主張は避ける。
親の意見にも耳を傾けるのが大切です。時間をかけて話し合い、最終的に自分の人生は自分で決める強い意志を示しましょう。
履歴書に中退の事実は書くべき?
必ず正直に記載しましょう。中退を隠して卒業と偽ったり、記載しなかったりするのは「経歴詐称」にあたります。
採用後に発覚すれば、懲戒解雇などの重大な処分を受けるおそれがあります。
【参考】私文書偽造(刑法第159条)
詳細は面接で説明する準備をすれば問題なく、正直な記載は誠実さの表れです。不利を恐れて隠すのではなく、事実を伝え、その上で強みや意欲をアピールしましょう。
女性の場合結婚やキャリアへの影響は?
女性が大学を中退した場合、結婚やキャリアへの影響が気になるかもしれません。キャリアは性別に関わらず、学歴が影響する可能性があります。しかし、本人の能力や努力次第で異なります。
また、相手やその家族の価値観次第で、学歴を気にする人も気にしない人もいます。大切なのは学歴よりもその人自身の魅力や人柄、価値観です。
ただし、将来子どもを持つことを考えた場合、経済的な安定性はより重要になります。キャリア形成において、中退が一時的なハンディキャップになるおそれは考慮しましょう。
まとめ
この記事では「大学中退=人生終了」の考えがなぜ生まれるのか解説しました。その背景にある不安や社会的なイメージに触れました。
しかし、大学中退は決して人生の終わりではないです。以下のように多様な進路選択ができます。
- 正社員就職
- 契約・派遣社員
- アルバイト
- 再進学
- 資格取得
- 公務員
- 起業・フリーランス
重要なのは、自分に合った道を見つけ、前向きに行動する点です。「大学中退=人生終了」の言葉に囚われず、前向きにとらえましょう。
そして、未来に向けて一歩を踏み出すのが大切です。まずは、就活エージェントなどへの相談から始めることをおすすめします。